旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

古いニュース映画の中に

近未来の夢はたまに見ますが、自分の生まれる前が舞台となる夢は見たことはありません。どちらもそこで生きていたことはありませんし、近未来の街は映画とそっくりでしたから、それよりもドラマなどでもっと見ている江戸時代や戦国時代の夢を見てもいいと思うのですが、なぜかそうはなりません。
ところがやっと、自分が過去で暮らす夢を見ました。時代はアジア太平洋戦争の末期のようで、場所は東京の下町ですが、まだ空襲は始まっていません。今が戦中だと思わせるのは、駅前で新聞を売っているおばさんの夫が戦死したという噂話だけです。私は小学6年生で、来年入学する中学校の運動会を見に行きました。学制が間違っているのは、はじめてのケースなので、まだ時代考証がうまくいかないからでしょう。
普段見る夢と違って、モノクロで疵の多い画像でした。音も揺れています。古いニュース映画の中に入り込んだような感じです。
近々この町は焼け野原になり、戦争も負けて終わることを私は知っているのですが、それを怖がることはありません。これは夢だとわかっているのです。
運動会が終わり、強い日射しで汗をかいた私が銭湯の暖簾をくぐるところで夢は終わりました。