旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

ストライキ前夜

三十代の頃に労働組合支部委員長をしていました。専従ではありません。
働いている夢は見る夢のほとんどですが、労働組合に関する夢は見たことがありません。とうとうそれを見ました。
私は三十代で非専従の労組支部委員長、ユニオンショップ制というところまでは実際と同じですが、職場はまったく異業種の食品スーパーでした。ただ、スマホがあったり、物価が上昇し続けているのは現在に似ています。
冬期賞与は支給されましたが物価高のために生活は苦しく、臨時の昇級を求める声が職場にあふれていました。組合の中央委員会でそれを訴え、会社に労務協議会の開催を求めましたが回答がなく、ストライキを決行することになりました。(私はストライキの経験がなく、おかしな記述となるかもしれませんが、どうかお許しください。)
支部大会では全会一致で合意したにもかかわらず、ストライキには中央は乗り気ではありませんでした。かといって反対もしません。会社から無回答のままストライキの前日となりました。閉店後に組合事務所で組合員たちとストライキの準備を始めましたが、支部役員は私しかいませんし連絡も取れません。中央の役員も同じです。
準備は淡々と進んでいます。組合員たちがここにいるべき組合の幹部たちを非難することはありません。ストライキという初めての経験を、遊びとして楽しんでいるような雰囲気もあります。私は組合の資金を確認し、何日ストライキができるのかを計算しました。最長三日です。ストライキ直前に中央委員会から私の除名とストライキの中止を命じてくることは頭の片隅にあるのですが、それはよその世界のことと感じられてなりません。