旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

巨人と天才の世界

「能・狂言・歌舞伎と漫才とをわけるものは、安定した社会の常識でいえば、一方が本物で他方がにせものということになろうが、つきつめていくと、それは、能・狂言・歌舞伎は地位と財力に結びついているが漫才はそうではないということで、表現としての価値とはちがう経済的事情に由来する。」
以上鶴見俊輔著『太夫才蔵伝 - 漫才をつらぬくもの』(平凡社選書/1979年)第11章からの引用です。この本の書かれた当時は、漫才はそのようなものだったのでしょう。ところが、現在の漫才は地位と財力にしっかりと結びついています。あの世界には、知の世界の「巨人」と同じように、「天才」が多数いるようです。そんな偉大なものには、どうせ理解できないのですから、私は近づかないことにしています。