秋なので、それをタイトルに入れた音楽を聞くことにしました。すぐに浮かんだのが本田路津子の1970年のヒット曲「秋でもないのに」でした。この曲、好きだったな。でも歌は多すぎて除外です。
日頃聞かないものにしようと、選んだのが武満徹作曲の雅楽『秋庭歌(しゅうていが)』です。レコードは二枚持っています。初演の翌年、1974年に録音された宮内庁式部職楽部によるものと、1980年録音の東京楽所(とうきょうがくそ)の演奏のもので、後者は「秋庭歌」に新たに作曲した五曲を加えて『秋庭歌 一具』となっています。『秋庭歌 一具』は1979年に舞とともに初演されました。東京楽所は1978年に結成され、メンバーの多くが宮内庁式部職楽部の楽員です。
雅楽をまったく聞かない私には、この曲を語ることはできません。ただ、いかにも武満らしい旋律がところどころに聞こえます。
『秋庭歌 一具』はデジタル録音で、ライナーノートにはマイクセッティングの図まで載せ、使用した機器の卓越性を記しています。しかし初期のデジタル録音のひどさがよくわかる音です。武満のレコードはかなり持っているのですが、感心するアルバムジャケットは一枚もありません。