映写機材とフィルムを積んで、アメリカの小さな町や村を巡回している夢を見ました。フォルムは『ポパイ』や『ベティブープ』などのモノクロで無声のものばかりです。ディズニーがないのは、きっと夢の中までチェックが入っているからでしょう。
町や村に着くと、野外にスクリーンを張りすぐに準備にかかります。アニメばかりなので、暗くなると子供がたくさん集まり、どこもなかなかの盛況です。我が一座の売りものは、声優たちによる生音声です。みなさん芸達者でいくつもの役を兼ねています。
私が子供の頃のアメリカのテレビアニメは吹き替えされずに放送されることもありました。あのときのオリーブやベティブープの声が聞こえるのです。
こんな仕事、賃金は安いし先の見込みもないからもうやめたいな、と愚痴ると「不況だから当分ここにいた方がいいよ」と仲間に慰められました。さて、明日はどこの町かな。
