昨日立川で飲んでいて、こんなことはほとんどないのですが、隣り合わせたご夫妻と話が盛り上がりました。
私の大好きなジャズ・ピアニストの山下洋輔さんは立川に住んでいるのですが、ご夫妻は山下さんの近所に住んでいておつきあいがあり、先日も東京オペラシティで行われた彼とセシル・テイラーのデュオ・コンサートに招待されて行ってきたとのことでした。
フリージャズ（死語ですね）の東西の双璧の邂逅、さぞやすばらしいコンサートだったことでしょう。奥さんから見せていただいた携帯で写した写真の中の、テイラーと肩を並べた山下さんの笑顔がそれを物語っていました。
セシル・テイラーと山下洋輔、似ているようで似ていません。
山下さんの演奏には常にジャズのイディオムが感じられ、それが魅力なっています。それに対して、テイラーは私には即興演奏をするウェーベルンに思えます。
ステージの上の姿も対照的です。仕事着である白いシャツに黒のパンツとベスト姿で、どんな場所でもきっちりと定刻通りに山下さんは演奏を始めます。*1
セシル・テイラーは予告されたコンサートに現れるかどうかが、まずわかりません。客席で気長に待っていると、薄汚れた格好をした猫背の小柄な男性がいつの間にかピアノの前に座っていて、突如演奏が始まるのです。そして黙って去っていきます。
そんなふたりのデュオ・コンサート、行きたかったなぁ。
*1:ライブハウスの演奏を定刻に始めるジャズ・ミュージシャンはあまりいません。
