旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

路面電車の走る町

昨夜こんな夢を見ました。


私はたぶん二十歳前で、その時代の町の人通りの中に立っていました。
場所は築地本願寺のそば。これから渡ろうとする道を路面電車が走る写真を見たことがあります。が、夢の中のその道はバス通りでした。
信号が青になり歩き始めると、向こうから弟の同級生の女の子がやってきました。そうなら五歳下になるのですが、私と同い年くらいに見えます。秋なのに、彼女は光沢のある素材のノースリーブでジップアップのベストみたいな白い服を着ていました。ニットのベレー帽、長いスカート、靴まで白ずくめです。あ、スタンドカラーに薄い黄緑のラインが入っていました。すごく似合っています。これからデートなのかな。
「さっきもここで会ったよね。」
声をかけました。数時間前の彼女は普段着でしたが、今はうっすらとお化粧までしています。
返事をする彼女の笑顔がすてきです。この子、こんなに可愛かったんだ。思わず振り返り、後ろ姿をしっかり焼き付けました。
左に曲がり、路面電車の停留所を目指します。築地郵便局の前あたりにそれはありました。
電車は来ていました。前の乗車口から足の不自由な青年が乗ろうとしています。車掌がその後ろを支えていました。私もそこから乗車します。
青年は運転席の隣の優先席に座りました。座り心地がよさそうな椅子で、なぜか車両の後方を向いています。
外からは無人に見えたのですが、女子高生がたくさん乗っていました。席はいくつか空いています。腰掛けると同時にチンチンという音がして、電車は発車しました。夢はそこで終わりました。


目覚めても、夢の中の幸せな気分が残っていました。白い服の少女もよかったのですが、それよりも路面電車に乗ったからでしょう。都電の車掌は、私の憧れの職業だったのです。
路面電車の模型、欲しいな。