旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

クリストの『アンブレラ』と作業員の死

昨日の東京新聞の夕刊に現代美術家、クリストの追悼文がありました。クリストは5月31日に84歳で死去しました。
私は現代美術に関心がありません。ただクリストとジャンヌ=クロードによるインスタレーションは大がかりなので話題になることが多く、多少は知っていました。1991年に日本とアメリカで公開された『アンブレラ』も制作中に新聞記事で知りました。
小西信之氏の追悼文「クリストを悼む」には『アンブレラ』についてこのように書かれています。
「また九一年にはカリフォルニアと北茨城の谷間で、太平洋を挟み「アンブレラ」が行われた。千本以上の青い「傘」が谷間に密集し、山間に沿って走っていく。日本の里山の景色一変させたその光景に筆者も息を呑んだ。」
小西氏は書いていませんが『アンブレラ』の撤去中に日本側の作業員が事故で死亡しました。私の記憶はこれだけだったのですが、この文を書くために調べたところ、アメリカ側でも事故があったことを知りました。突風で飛ばされた傘に当たって人が死んだのです。
クリストが死んでも彼とジャンヌ=クロードによるプロジェクトはまだ終わらないそうです。来年の秋にはパリの凱旋門が梱包されるとか。死者の出ないことだけを祈ります。