旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

これくらいは許されるよね

仕事をやめてからは外に出なくなってしまい、そんなことはなくなりましたが、以前はよく道を尋ねられたものです。東京なら育ったところですからだいたい教えられます。訊く人はなんとなく私を土地っ子と感じているのだな、と思っていました。
ところが、旅行や仕事で地方に行った時にも、それはよくあったのです。私の風貌に汎用性があるのかもしれません。もちろん土地の者でないので知らないと答えましたが、歳を取ってからは何度かちょっとしたいたずらをしました。圓生さんがよく使う、いんちき方言で返答したのです。「百川」の百兵衛さんのしゃべる言葉を思い浮かべてください。
「はぁ、わしゃあ、ここからいかく遠くの村(そん)から来たものですけぇ、どこがどこだか、いっこうに知りもうせんで、ひぇー、もうしわけないでごんす。」
笑いをこらえている人はいましたが、怒った人はいませんでした。