旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

仇討ちではなくエイサーで

桜咲く飛鳥山公園

JR王子駅の中央口改札を出て左に曲がると、飛鳥山公園へ向かう狭い坂があります。花見客で賑わうその坂を上っていると太鼓の音が聞こえてきました。
ここは名にし負う飛鳥山、すわ仇討ちならぬ合戦でもやっているのではないか、と坂道を急ぎました。


飛鳥山公園の桜は満開でした。人があふれています。
太鼓の音は野外ステージから聞こえてきます。しかし、よく聞くと陣太鼓ではありません。エイサーの太鼓です。
ステージの上では若い人たちがエイサーを踊っていました。東京のお花見でエイサーか。時代の流れなのでしょう、「これもまたよし」ということにしました。


有名な飛鳥山碑がありました。仇討ちの茶番はこの近くで行われたはずです。
漢文で書かれた碑文にはまったくお手上げですが、その字体はみごとです。270年前に彫られたものですが、保存がよく、欠けた文字はほとんどありません。江戸川柳によく登場する碑ですから、人びとに愛され、大切にされてきたのでしょう。


飛鳥山公園の桜も他の東京の桜の名所と同じで、ほとんどがソメイヨシノですが、児童公園のあたりにはいろいろな品種が植えられていました。白い花をつけたオオシマザクラは香りもすてきでした。私のお気に入りのギョイコウは、まだ咲いていませんでした。


ギターとハーモニカで昔の流しのような演歌を演奏している人たちがいました。喜捨を求める箱はありませんでしたので、楽しみに演奏しているのでしょう。アコーデオンがあるともっといいのでしょうが、ハーモニカの懐かしい音色がそれを補っていました。スティックでスネア替わりにダンボール箱を叩いている人もいましたが、これはちょっといただけませんでした。年齢は私くらいなのでしょうか。
ストリート・ミュージシャンをやってみたいな、という考えがふと頭をよぎりましたが、すぐに打ち消しました。