旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

あたし十六仲見世の

浅草仲見世

上々颱風の「メトロに乗って浅草に」の女の子は「あたし十六仲見世の ちょっぴりお転婆小町なの」ですが、たぶん下町に生まれ育った子なのでしょう。下町の女の子は自分のことを「わたし」とは言いません。小さい頃は「あたい」、小学校に行くようになると「あたし」と言います。
このお転婆小町くんはどんなお店で働いていたのかな。人形焼きとか雷おこしなど、お菓子を商っている店が似合うような気がします。


なんてことを考えながら雷門をくぐり、仲見世を歩きます。実は私、仲見世で買い物をしたことがほとんどないのです。人形焼きと半襟を買ったくらいかな。五歳年下の弟は、新仲見世の「マルベル堂」で山口百恵森昌子のブロマイドをよく買っていましたっけ。
きっと仲見世で売られているジャパネスクな品物が、若いときには目を背けたいものだったのでしょう。でも今は違います。「瓢たん屋」の根付や「助六」の犬張り子を買いたくなっているのです。きっとこれを<転向>と言うのでしょう。


「なんだかいつもの仲見世と違うな」と思ったら、宝蔵門が修理のためにすっぽり白いシートで覆われていました。がっかりです。雷門と宝蔵門に挟まれていてこそ仲見世なのです。それに、これでは裏にかけてあるワラジが見られません。
シートの下をくぐるのは工事現場にいるようで興ざめです。人形焼きの「木村屋本店」を右に折れ、二尊仏を見ることにしましょう。