旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

王座決定か?

東京復活大聖堂

カラマーゾフの兄弟」と「戦争と平和」のロシア文学ヘビー級王座決定戦は、どうやら前者の勝利となりそうです。
2冊を交互に読んでいたのですが、前半の大きな山場「大審問官」で「カラマーゾフの兄弟」が一気にダッシュをかけ、「戦争と平和」をリング外に吹っ飛ばしてしまいました。


カラマーゾフの兄弟」を2部作の前半と見ることによって、私にとってこの作品はぐっと面白いものになりました。ドストエフスキーは巻頭の「作者の言葉」でそのことを明記しているのですが、今まではなぜかその視点から読むことができませんでした。
そうなるとこの作品の背景などが知りたくなり、19世紀のロシアの状況を調べたり、新約聖書を引っ張り出したりしているありさまです。さらには、読み終えることができなかったロレンスのアポカリプス論「現代人は愛しうるか」や、時代は下りますがトロツキーの「ロシア革命史」までが読みたくなります。
よーし、こうなったら(読書は機縁が大事ですから)取りあえずそれらの本を手に入れることにしましょう。完読する自信はありませんが‥‥。


しかしチャンピオン「カラマーゾフの兄弟」も安心してはいられません。次回の防衛戦は指名試合で、相手はトルストイ・ジムの伏兵「アンナ・カレーニナ」に決定しています。彼女(?)を倒してこそ彼ら(?)は真の王者と呼ばれるようになれるのです。