旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

古本屋のスサノヲ

夢でスサノヲを見ました。外見は古本屋のオヤジでしたが、あれはスサノヲに間違いありません。


私がいつも見る夢の中の町には古本屋が何軒かあるのですが、今朝の夢に出てきたそれは今まで見たことがありません。その古本屋はとても大きくて、それ自体が町のようでした。店の中は雑然としていて、その中にはほかの古本屋や、何軒かの居酒屋までありました。


店のオヤジは銭湯の番台のような場所に座り、店の中を睥睨していました。廃墟の図書館みたいな店ですが、品揃えは充実しています。私好みの稀覯本が延々と並んでいるのです。全財産を使い果たしてもいいという気持ちになってきましたが、乏しい私のそれでは欲しい本の十分の一も買えそうにありません。


すると、上の方からわれ鐘のような大音声が聞こえてきました。店主の怒鳴る声のようですが、あまりにも大声なので何を言っているのか、耳鳴りがして聞き取れません。ただ、古本屋でよく経験する「汚い手で本にさわるんじゃねぇ!」などという、客に向けての怒りのことばではないようです。
オヤジの怒鳴り声はいつになってもやみません。おまけに、ところかまわず爆裂弾のようなものを投げつけるので、私以外の客はみな店を出てしまいました。


私の足下で火花が散ったとき、私は彼が荒ぶる神、スサノヲであることを理解しました。それと同時に、スクナビコナオオクニヌシにそうしたように、凶暴な矛盾のかたまりである彼のそばにいてあげたくなってきたのです。