旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

蛍を見てきました。

昨日は蛍狩りにご招待されました。蛍を見るのはほぼ半世紀ぶりのことです。


東京の下町で育った私は、自然の中の蛍を見たことがありません。私にとって蛍とは、夏の縁日の夜店で売られているものでした。


夏から秋にかけての縁日には、虫を売る夜店が出ました。今も人気のあるカブト虫やクワガタも売っていましたが、当時は鳴く虫がメインでした。
虫屋は植木屋と同じように、夜店のすみっこに店を開いていました。子供より、大人相手の商売だったのでしょう。虫かごも竹製で、風流なものでした。


蛍が売られるのはごく一時期でした。ほかの虫と違って、蛍は地面に直接置かれた大きな金網のかごの中に放たれていました。金網の中には木や草が植えられ、水桶もありました。
ささやかな青い光を点滅する蛍を見ていると、いつも決まって独特の匂いが鼻を捕らえました。水の匂いのようなのですが、私はそれを蛍の匂いと思いこむことにしていました。


下町の家には庭がありません。買ってきた蛍はどこに放つのでしょうか。蚊帳の中なのかな。
そんな若い男女がいたとしたら、中島みゆきの「金魚」のふたりに似ていますね。


私は蛍を買ったことがありません。