昨日は自分への誕生日プレゼントを買いに出かけるつもりだったのですが、前日に友人と都内で深酒をした疲れが残り、いつもの休日のように旭亭で本を読むだけの一日でした。これが一番楽しいんだけどね。
読んだのはピーター B.ハーイの「帝国の銀幕」(名古屋大学出版会)で、積ん読本の中の一冊です。
高群逸枝の著作集には戦時中の文章が一切収録されていません。「帝国の銀幕」には雑誌「人の噂」に掲載された「貴方はファッショにどんな関心をお持ちですか。その賛否」という質問に対しての彼女の回答が引用されていました。(同書35頁)
「ファッシズムの傾向は賛否を通り越したもの、即ち必然の傾向だと信じます。」
むべなるかな。
これも同書の主題ではないのですが、「際物」ということばは、もともとは肯定的な意味で使われていたそうです。際物映画の代表は肉弾三勇士もので、各映画制作会社が競って作ったのですが、作品は残っていないようです。
「帝国の銀幕」表紙カバーは田中絹代と鈴木伝明で、人気コンビの7作目の映画となる「進軍」(牛原虚彦監督)のスチール写真です。

- 作者: ピーター・B.ハーイ
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 1995/08/01
- メディア: 単行本
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