旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「エリア随筆」

本の整理は続いていますが、思いがけない本をみつけて驚くことがしばしばです。「こんな傾向の本、よく買ったなー」としげしげと表紙をみつめ、頁を繰るのですが、ほとんどが処分する本の山に積み上げられます。
そうなるはずだったチャールズ・ラムの「エリア随筆」を少しずつ読んでいます。山内義雄の訳文は私には一度では理解できない箇所が多く、ゆっくりと読み進めるしかありません。


中学生のときに「シェイクスピア物語」を読んだことがあります。そのときからずっと、ラム姉弟は裕福な家に生まれ、本に囲まれた優雅な生活を送っていたと、根拠もなく思いこんでいました。
とんでもない思い違いでした。これほど凄惨な生活に耐え抜いた人だったとは……。
エリアという人物に仮託し、書かれたこの随筆で、兄と姉を従兄(従姉)としていることに違和感を覚えたのですが、今はそう書くことを選んだ彼の思いがよくわかります。


ラムは私の年齢で世を去りました。