旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

小林秀雄

高校時代、小林秀雄風な文章を書くのが周囲ではやっていたせいか、あまり熱心に小林を読んだことがありません。そのころ刊行されていた全集は2巻目で挫折しました。知らない漢語が多すぎて、辞書と首っ引きの読書に嫌気がさしたのです。そんなわけで、いま手元にある小林の本は、文学全集の中の一冊だけです。


ところが、最近になって小林秀雄を読みたくなってきました。生き方の知恵を授けてもらいたい、なんてことではありません。そんなふうに読まれたら、その作家や評論家はもう終わっています。それに、私には小林はロクでもないヤツに思えます。


新潮社から出ている「小林秀雄全作品」(「全集」の方ではありません)が発表年月順に編集されていることを知り、小林の戦中の作品をたどってみたくなりました。小林は戦中の言動が批判されることのない数少ない文学者のひとりですが、それを自分自身で検討したくなったのです。「全集」と違って「全作品」は安価なので、早速購入することにいたします。