旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

なぜか康成

川端康成の小説を読んでいます。
十年以上前に近所の古本屋で百円で買った筑摩現代文学大系の中の一冊です。まったく手つかずのこの全集が二十冊以上売られていて、そのほとんどを購入しました。今もすべて手元にあります。
ほとんど読んでいません。というか、読んだ作品ばかりなので、読み返したくなったときにしかお世話になっていないのです。
川端康成集もそんな一冊で、再読の気持ちがなく、手に取ることもありませんでした。「眠れる本」です。(もちろん「眠れる美女」のパクリで、この本にはそれも収録されています。)
川端を読むのは高校生のとき以来でしょうか。「伊豆の踊子」は十代の必読書でしたし、映画化された作品も多く、あのころはよく読まれていたのです。そうそう、千束通りに「山の音」なんて喫茶店があったっけ。
で、四十数年ぶりの川端康成、これがなかなかおもしろいのです。「千羽鶴」には感心してしまいました。骨董趣味が鼻につきますが、それをなくしたらこの小説は成立しません。
父子と関係を持つ未亡人、その子は彼女の死後、娘と交わるというお話です。書いていて顔が赤くなってしまいますわ、あたし。
今日は件の「山の音」を読んでみましょう。