旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

大江健三郎「晩年様式集」

ハンナ・アーレントユダヤ論集二冊を購入しました。ついでに(?)大江健三郎の新しい小説「晩年様式集」も。
タバコを左の指にはさみ、にやりと笑ってこちらを見つめるアーレントのカバー写真の表情が挑戦的です。「あんたに読めるの」って感じで、自信がないのを見透かされているようです。
文庫本を除いて大江の作品を刊行時に買うのは三十数年ぶりでしょうか。こちらはすぐに読みはじめました。昨年から彼の後期の小説を読んでいましたので、登場人物が私の中で形作れていて、また会えたという嬉しさがありました。
ただ今回は、かって書かれてきたことへのその人たちからの批判があると聞いています。作品世界と現実を比較することには興味がありませんが、その手法はおもしろそうです。