旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

ひとり歩きをはじめた「凡庸な悪」

「凡庸な悪」ということばをあちこちで見かけるようになりました。
私のようなものでさえアーレントユダヤ論集を手にしているのですから、といつもなら書くところですが、思いとどまりました。おそらくは「イェルサレムアイヒマン」すら読んでいない人たちによって使われているのでしょう。映画もありましたし。
耳慣れないことばがひとり歩きするとき、意味は必ず変容します。「共同幻想」ということばがそうであったように。現在は吉本隆明に批判的な私ですが、このことばは自分を映す鏡として、まだ私から離れません。