旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

山中恒『ボクラ少国民』

山中恒の『アジア・太平洋戦争史 同時代人はどう見ていたか』(岩波現代文庫)を再読しようと「まえがき」に目を通しました。そこに『ボクラ少国民』を書き始めたのは1972年とあり、そんなに遅かったのかと意外な感を持ちました。山中氏の、自分の少年時代を膨大な資料によってたどる作業が40歳を過ぎて始まったことに驚いたのです。
私が初めて読んだ山中氏の本は『サムライの子』でした。小学生の高学年の頃で、その後1冊は読んだ記憶がありますが、それで終わっています。『ボクラ少国民』シリーズは補巻も含め全巻手許にあります。完結から20数年後に古書で手に入れました。恥ずかしいことに、資料集のように使っていて、どの巻も完読していません。
私のようなものでも、自身の過去を、思い出としてだけではなく、様々な資料を集め振り返ることができたのなら、少しは用に立ったのでしょうが、遅きに失しました。