旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

高橋和巳

昨日、高校生の頃に小林秀雄の著作で多くの熟語を知ったと書きましたが、高橋和巳の本もそうでした。
私は高橋和巳の作品のほぼすべてを読んでいます。中国文学者でもあった高橋の文章には漢語が多く使われていました。「瞋恚(しんい)」なんてことばも彼の本で覚えました。それとは違いますが、『我が心は石にあらず』では「確信犯」という法律用語を知りました。現在ではこのことばは普通名詞のように使われていて、私にはなじむことができません。
読んだけれどもお手上げという本もありました。岩波書店から出ていた『中国詩人選集』の二冊です。李商隠と王士禎の巻で、残念ながら処分してしまいました。高橋の小説を再読したいとは思いませんが、この二冊は今なら理解できそうで、なんとか読みたいものです。