旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

ユーゴスラヴィア

NHK-BSPでエミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』を見ました。第二次世界大戦から内戦までのユーゴスラヴィアを舞台にしていますが、歴史映画ではなく、ほろ苦いコメディーといえるでしょう。
騒々しい音楽と主人公、マルコとクロのエキセントリックな演技で始まり、動物園が爆撃される目を背けたくなるシーンへと続くと、これは苦手な映画だとスイッチを切りたくなりました。なんとか見続けましたが、クロの愛人で女優のナタリアの大根役者ぶりにまた嫌になりました。でもそれらは、戦後に三人が英雄とされ、制作された映画の伏線となっていました。
三人の表情は時代が進むに従い変わっていきます。一筋縄ではいかない生き方と複雑な胸中が、よくわかります。私はナタリアを演じたミリャナ・ヤコヴィッチに圧倒されました。
ユーゴスラヴィアについての本を読んだことを思い出し、書棚を探したらすぐに見つかりました。柴宜弘(しばのぶひろ)著『ユーゴスラヴィア現代史』(岩波新書/1996年)です。増補版が出ているそうで、そちらを読んでみたいのですが、まずこれを再読し、映画をもう一度見ることにします。