旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「お笑い」

寄席芸が好きですが、それを「お笑い」と呼ばないようにしています。どこか違和感があるのです。
「お笑い」という言葉はNHKのテレビドラマ「お笑い三人組」で知りました。三人組を演じたのは若手芸人でしたが、彼らがそうであったから「お笑い」のタイトルを付けたのではなく、ここでの「お笑い」は「愉快な」といった意味でしょう。
饗庭篁村(あえばこうそん)が1906年6月に雑誌『趣味』に載せた「落語の趣味」という短い文章に「お笑ひ」をみつけました。当時から落語家を「お笑ひ」の人と呼んでいたのかと思いましたが、よく読むと「人を笑わせること」を指していました。
篁村は笑わせればそれでいいってもんじゃないよと述べています。「おもふに諸氏は、其家業たる落語といふことを軽しめて、自ら棄て客の弄物となり、お辞儀で頭の上がらぬものと、思ひきはめたるにあらずや」なんだそうです。