旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

父と自転車で

幼い頃、父は私を自転車に乗せて、近所ですが、あちこちに連れて行ってくれました。フレームに二つ折りにした座蒲団を置き、そこに私がまたがります。
町の名など知りもしませんので、どこを走ったのかをたどることはできません。でも、千住のお化け煙突はよく覚えています。まだ稼働していた火力発電所の四本の高い煙突で、見る場所によって本数が変わります。父は周囲をまわり、それを見せてくれました。
それ以上に印象に残っている光景があり、それは今でも夢に登場します。初夏のようで、日射しがとても明るい中を自転車は進みます。右側に石材店あり、私がそれに関心を示したので、父は自転車を止めました。今戸から花川戸あたりのような気がするのは、その後公園に、たぶん隅田公園に行ったからですが、実際にはそのあたりに石材店はありません。
公園ではナナホシテントウが私の掌に止まりじっとしていましたので、家で飼おうとそのまま帰りの自転車に乗りました。ところが虫はすぐに飛び去ってしまいました。