旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

父と自転車

父の夢を見ました。
父は私が十七歳のときに亡くなりました。思い出の多くは小さな頃のものです。キャッチボールもやりましたが、父の自転車に乗せてもらい、出かけるのが私は好きでした。私が座るのは後ろの荷台ではありません。トップチューブに座蒲団を二つに折って置き、そこにまたがるのです。見晴らしは抜群でした。お化け煙突(千住火力発電所の菱形に配置された四本の煙突)をあちこちから見せてくれたことがありました。
夢の中の父はその頃のようでした。でも私は二十歳くらいで、二人でホームセンターにいるのです。客が大勢来るというので足りない食器を買いに来たのです。
自転車が目にとまりました。シンプルな昔のデザインで、色はアイボリーです。変速機は付いていません。持ってみるととても軽い。父の自転車は古くて重いのです。父に「自転車、買い替えようよ。これプレゼントするから」と言いました。父は「いいのかい」と嬉しそうに応えました。