旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「フラミンゴ」で聞いた Miroslav Vitous

久しぶりにアマゾンでCDを購入しました。新譜は1枚で残りは70年前後に発売されたジャズのCDです。


私がジャズを聞き始めたのは17歳からで、それまでは全く聞いたことがありませんでした。その頃知り合った友人に超のつくジャズ・マニアのM君がいて、彼の影響でジャズを聞くようになったのです。
彼はジャズ喫茶やライブハウス、さらにはジャズの評論家やマニアがそれぞれ持ち寄ったレコードを楽しむ「ホットクラブ」の例会にまで連れて行ってくれました。
そのうち私もひとりで通うジャズ喫茶をみつけました。家に近い、浅草の「フラミンゴ」です。
「フラミンゴ」は仁丹塔のそばにある小さな店でしたが、アルティックの巨大なスピーカーからは − スピーカーが並べて置かれていましたのでステレオ感はほとんどなかったのですが − 気持ちのいい音が流れていました。


今回購入したCDの中で Miroslav Vitous の「Infinite Search」は当時「フラミンゴ」でよくかかったレコードでした。窓の付いた白い外袋のあるジャケットはとても凝っていて、思わず手に取ってみたくなるものでした。フルート奏者 Herbie Mann の所有するレーベル Embryo のジャケットはすべてこのスタイルで、Mann はこのレコードのプロデューサーでもあります。


Miles Davis の名演で知られている1曲目の「Freedom Jazz Dance」を聞くだけで、タバコの煙の立ちこめた黒い内装の「フラミンゴ」にタイムスリップしたような気分になります。Herbie Hancock のローズ・ピアノの音はあの時代のジャズの象徴のようです。
チェコスロバキア出身の Miroslav Vitous はその後、オーストリア生まれの Josef Zawinul と Weather Report を結成します。


仁丹塔はなくなりましたが「フラミンゴ」はバーになり、同じ場所で営業を続けています。もちろんスピーカーは変わりましたが、以前と変わらない気持ちのいい音が流れています。