旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

Now’s the Time

まだ読み始めていないのですが、書評を読んで気になっていた熊倉千之「漱石の変身」を買ってきました。漱石論は読まないようにしているのですが、毛色の変わったもののようなので、ともかく一読してみようと思ったのです。


若いころに梶木剛や柄谷行人の優れた漱石論に出会ったので、一時は漱石論をあれこれ読んでいました。それはとても楽しい読書体験だったのですが、漱石という作家には自ら取り組むべきだと考えるようになり、それからは漱石論を遠ざけるようになりました。最近読んだのは、石原千秋の「心」論くらいです。


岩波書店漱石全集は揃えてあります。旧版も持っていたのですが、狭い旭亭なので、愛着はあったのですが泣く泣く処分しました。新版の全集は全巻を読み通していません。読みたくなるときが必ずくると確信していましたので、それまでは書棚の奥で眠ってもらうことにしていたのです。
Now's the Time なのかな。


漱石論というとまずは江藤淳なのでしょうが、若書きせいか、私には届くものがありませんでした。でも、「漱石とその時代」はとてもありがたい書物で、未完で終わったことが心から惜しまれます。


時は来たれり、なのでしょうが、その前にやっておかなければならないことが山積しています。身過ぎ世過ぎの仕事も今が踏ん張り時です。
だらだらとした生活を改める必要がありそうです。


漱石の変身―『門』から『道草』への羽ばたき

漱石の変身―『門』から『道草』への羽ばたき