昨日、吉田健一の本を9冊買いました。すべて講談社文芸文庫です。同文庫から吉田の著作は16冊出ていますが、手持ちのものと合わせても、これですべてが揃ったわけではありません。残りは復刊を待つことにします。
吉田の文は、私にとっては古井由吉と同じで、実に読みづらいものです。まあ、吉田に関しては多くの人がそう思っているようなので、あながち私の理解力不足とだけは言えないかもしれません。
昨年からこのふたりの本が無性に読みたくなりました。が、どちらも現在では入手がむずかしくなっています。
吉田健一の軽いエッセイは私の二十代のころによく読まれていましたが、手にすることはありませんでした。植草(甚一)おじさんが刊行中の吉田の著作集(集英社)を熱心に読んでいることを知り、興味がわきました。
はじめて買ったのはその中の1冊で、銀座の奥村書店で求めました。偶然なのですが、その本は逝去した植草おじさんの手にしたものでした。蔵書印はありませんが、中に植草おじさんの手書きのメモが挟まれていたのです。
残念ながらその本は手放してしまい、どの巻であったのかも記憶していません。植草おじさんみたいな年齢になったら、自分も吉田健一を読もうと決めたことは確かです。
そのときが来たのです。