旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

志の八さんの「火事息子」

昨日は笑福亭瓶二さんと立川志の八さんの落語会「二八會」に行ってきました。おふたりの名前にちなみ二月と八月に開催しているこの会も三回目になりました。
瓶二さんは「親子酒」と「動物園」。父親が禁酒を破る描写が聞かせどころの「親子酒」とは違い、息子が主役なのは上方の演り方なのでしょうか。毎回のお楽しみ、師匠の鶴瓶さんが登場する枕は「落語を習う編」。脚色は一切ないそうですが、場内大爆笑でした。また、「動物園」の虎の動きは出色のできばえでした。
志の八さんの「町内の若い衆」は「後で長い噺を演りますからあっさりと」と言ってはじまりましたが、しっかりと聞かせてくれました。
その長い噺は「火事息子」。冒頭で江戸の火消しについて丁寧に説明します。臥煙(がえん)が死語ですから適切な前説でしょう。この部分を聞いていて、そう思うことは今までなかったのですが、志の輔師匠の語り口を強く感じました。
噺はゆったりとしたテンポで進みます。声も低く、江戸の冬が目に浮かびます。そして母親の登場。今までの展開から、ここはたっぷり泣かせるだろうと思いきや、くすぐりをあちこちに入れ笑いを誘います。
地と会話の話し分けにやや難点がありましたが、とてもいい「火事息子」でした。真打トライアルも近いのかな。