旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

旭太郎 vs. 食人植物

おバカな夢を見ました。


二十代の私が町を歩いていました。スーツを着て、書類入れを小脇に抱えています。仕事でどこかに向かっているのでしょう。すると突然の雨。
山門のようなところで雨宿りをしていると「そこじゃ濡れますよ。中にお入りなさい」と声を掛けられました。これ幸いと家の中に入りました。
寺ではなく、古い農家みたいです。囲炉裏があり自在鉤に大きな鍋が釣り下げられていました。いい匂いがします。
「よかったら食べてください。だけど、今手が離せないので、自分でよそってね。」
声はすれども主の姿は見えず。まるでおならです。
鍋の中はけんちん汁のような煮物でした。古い木のお盆の上に、木の椀と木のお玉が置かれていました。肉まんみたいなものが浮かんでいましたが、それは避けて野菜とキノコとこんにゃくを椀によそりました。キノコの出汁がいけます。おいしい、もう一杯。食べ終わると、眠気がさしてきました。
足に息を感じ、目が覚めました。大きな鉢に植えられた、ビオランテみたいな植物の赤紫色をした花弁が私の足の上にありました。
「じゃれただけだよ。人は食わないから大丈夫さ。」
またしても声だけです。なんだか薄気味悪くなり、雨も止んだので、私は礼を言ってその家を後にしました。


突然、場が変わりました。私の家なのかな。壁の日めくりカレンダーは6月1日になっていました。
あれは食人植物に違いない、叩き切らねば。
気分は神谷玄次郎なのですが、格好は桃太郎でした。家も、よく見ると、auのCMの金太郎のそれに似ています。
「一人で行きますか?お供はいりませんか?」
これも声だけ。どうやら今日の登場人物は私だけみたいです。お供と言ったところで、どうせ役に立たない犬や猿や雉に決まっています。私一人で十分です。
なんだか頼りない細身の刀を抜き、ビュンビュンと振り回しながら、私は黙って家を飛び出しました。
夢はここでおしまい。果たして私は食人植物を倒せたのかな?


あっ、旭太郎は「あさたろう」と読んでください。これで四太郎になりました。