旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「サンティアゴ」とピサロは叫んだ

BSプレミアムの『聖なる巡礼路を行く~カミーノ・デ・サンティアゴ1500km』を見ています。サンティアゴスペイン語では聖ヤコブのことです。殉教したヤコブの墓が9世紀にスペインで発見されました。その場所、現在のサンティアゴ・デ・コンポステーラには大聖堂が建てら、キリスト教の聖地となりました。
中世に始まるサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼は一時廃れましたが、今世紀になってブームになっているそうです。番組ではスペインに住む日本人のグラフィックデザイナーを追いながら、各国からの巡礼者を紹介していきます。
巡礼者たちが語るのを聞くと、宗教上の理由からではなく、「癒し」や「自分探し」のための旅のように思えました。どこの国にもあるんだね。
スペイン、サンティアゴと並ぶと、私はある忌まわしい事件を思いだします。番組ではそれには一切触れていません。
1532年11月16日、スペイン人フランシスコ・ピサロはペルーのカマハルカ広場でインカ王アタワルパと会います。アタワルパがスペイン人の侵略を非難するとピサロは輿に乗っていたアタワルパの腕を掴み「サンティアゴ」と叫びました。それを合図にスペイン兵は銃でインディオを虐殺し始めたのです。
サンティアゴ」はレコンキスタで兵士が突撃するときに叫んだことばでした。スペイン人はアメリカ支配を新たなレコンキスタと位置付けていたのです。(レコンキスタについて書くと長くなるので自分で調べてね。それと、セシル・テイラーのアルバム『コンキスタドール』はとってもいいよ。)