旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

山中恒『ボクラ少国民』

山中恒の『ボクラ少国民』(全五巻、補巻一/辺境社発行、勁草書房発売)は膨大な資料集で、私は読み通していません。でもすぐに手の届くところに並べてあります。補巻の『少国民体験をさぐる』(1981年)は『ボクラ少国民』関連対談と年表、索引からなり、今まで読んでいませんでした。
散逸した文献の収集やその書き写し、音声資料の文字起こしなど大変な作業の連続で、活字のいくつかは新たに作ったそうです。また、山中の執筆した部分だけを読んだ批評も多く、真価の伝わらないもどかしさもあったことでしょう。
鶴見俊輔との対談で、思想の科学研究会の『共同研究 転向』との方法の違いが語られていて、山中の先見性に感心しました。
私の持っている本に価値などないと思っていますが、『ボクラ少国民』は誰かに残したい本です。