旭亭だより

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『6人の女』パティ編に涙止まらず

NHK BSで放映されている『6人の女 ワケアリな私たち』は第3話「パティ」で物語の大筋が見えてきました。
『6人の女』は同じ病院で癌の治療を受けている女性たちがフランスアルプスを登山するというストーリーのフランスのテレビドラマです。第1話「サラ」の冒頭は轢き逃げシーンで、犯人の女性はそのまま駅に乗り付け、「癌友」たちと合流し登山旅行に出かけるという破天荒な展開となりました。おまけに轢かれたのは犯人の夫なのです。「これってあり?となると犯罪ドラマ?」が見始めの感想でした。
全6話で、それぞれに女性の名前のタイトルが付いていますから、「6人の女」の「ワケアリ」が描かれていくはずです。第2話「ノエミ」は癌で仕事を失ってしまった弁護士の話で、彼女は病気や生活の苦しさと、留学している息子の学資を得るために、この旅行中に死ぬつもりでいます。加入していた生命保険は病死が対象にならないので、登山中の事故死を装わなければなりません。
この旅行を計画したのは、すでに死んでいるエヴでした。代わりに彼女の妹、カレンが山の頂上に散骨しようと姉の骨壺を携えて参加します。彼女だけが癌患者ではありません。カレンの言動は他のメンバーと違って刺刺しいのですが、その原因の一つはここにあるようです。
第3話「パティ」で生前のエヴが初めて登場しました。緊急病棟に勤務する医師、パティが癌治療のために髪が抜け嘆いていると、禿頭のまま現れ「すぐに慣れるわ」と慰めてくれたのです。それをきっかけに親しくなり、エヴは延命治療を拒否する書類にパティの署名を求めるまでになりました。二人でブティックに行くシーンがとても素敵です。パティは明るい色の服をたくさん買い、エヴにスカーフを選びました。それを頭に巻いたエヴはとてもきれいでした。パティはそのスカーフを旅行で身に付け、残り香を愛おしむのです。第1話でパティは唐突に自分がレズビアンであることを公表していました。その意味がここでわかります。重篤になったエヴに寄り添うパティ、エヴの葬儀を参列せずに見ているパティ、涙が止まらなくなりました。