旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

2007年の彫刻機

彫刻機

ATCの物作りは、主に切削加工と真空注型から成り立っています。
切削加工は三次元CAD/CAMとCNCドリルによるものが主ですが、ATCでは彫刻機による加工をそれと組み合わせています。彫刻機はそれだけでなく、部品加工やすでに完成している部品の修正(追加工)には、単独で威力を発揮します。


彫刻機(彫刻盤とも言います)は手動式のドリルで、習熟するには長い時間を要します。
ATCには彫刻機のスペシャリストがひとりいますが、2月にそれを扱える社員を1名、採用しました。また、若い社員にもその技術を伝えたいと考えていましたので、新たに2台の彫刻機を購入することにしました。


ところが、彫刻機は機械業界ではすでに使命が終わったものとされ、10年以上前にどのメーカーも生産をやめているのです。中古機械屋を探さなければなりません。
埼玉に彫刻機の在庫がある業者が見つかり、訪ねてみましたが、部品加工に向いたメーカーのものではなく、それでなくともジャンク品のように扱われていて、とても実用になるものではありませんでした。


そのうちに、愛知県に彫刻機を専門に扱う業者が見つかりました。電話をしてみると、経営者が彫刻機を製造していたメーカーの出身者で、彫刻機だけでなく消耗品も豊富に揃えているようです。
私は機械についてはまったくの素人なので、社長がその会社に行ったところ、なんと新古品の彫刻機までが、1台だけですがあったのです。早速それと、同じ機種の中古品を1台、注文しました。
機械の調整と、オプションで付けてもらう部品もありますので、江刺工場に彫刻機が届くのは7月になります。


倉庫に眠る何台もの彫刻機、ふと村上春樹の「1973年のピンボール」の1シーンを思い起こしました。