旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

「ドナ・リー」くらい弾けるようになれよ。

ベースを弾き始めたのは30歳のときでした。職場の若い人たちと作ったバンドにベース奏者がいなかったからです。ルートと5度だけを弾いていればいいや、なんていい加減な気持ちでいましたので、楽器もYAMAHAの安いBB(おまけにミディアムゲージ)を購入しました。
当時はフュージョンブームの真っ盛りで、ベースの奏法が大きく変わった時期でしたが、「あんなことは逆立ちしたってできない」と決めこんでいましたから、バンド結成当初はほとんど練習をしませんでした。
そんなわけで今でもスラッピングがヘタなのですが、そのうちにR&Bやソウルのベーシストが気になるようになってきました。とりわけ、モータウンのジェームズ・ジェマーソンとスタックスのドナルド・ダック・ダンが大のお気に入りでした。彼らにタワー・オブ・パワーロッコ・プレスティアを加えた三人が、現在でも私の憧れのベーシストです。


ジェマーソンはエレクトリックベースの奏法を確立した人だと、私は考えています。それまでは、エレクトリックベースはアップライトベースの代用品だったのです。
彼はジャズミュージシャンでした。ですからもともとはアップライトベースを弾いていたのです。だからこそ、エレクトリックベースに独自なものを求めたのでしょう。
ミュートを付けたプレシジョンベースから繰り出される歌心のあるフレーズは、一度聞いたら忘れることができません。よく聞くと、ジャズの香りもほのか匂ってきます。
ジャズ理論を知らない私には、残念ながら彼のスタイルを自分のものにすることはできません。それでも、耳コピとコピー譜で彼の演奏を追いかけることは、ベースを弾き続ける限り私は欠かさないつもりです。


ダック・ダンは、なんであんなに少ない音数で人を気持ちよくしてくれるのでしょうか。趣味のよさと絶妙のリズム感なのかなぁ、なんて思っていますが、そんなことはどうでもいいことです。それよりも、今でもMG'sで元気にプレイしていることが何よりも嬉しい私です。


さて苦手な難曲の話です。
ジャコ・パストリアスが残したベースソロによる「ドナ・リー」(by バード)と「半音階的幻想曲とフーガ」(by バッハ)の二曲を弾きこなすことが、現在ベースを学んでいる人たちの最初の関門となっているのではないでしょうか。私は、コピー譜は持っていますが、チャレンジしたことすらありません。
「マイ・ジェネレイション」の話は明日書くことにいたします。