旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

心穏やかならぬ日は

先週の出張には森銑三開高健の文庫本を携えて行きました。開高健は、先月野坂昭如がそうであったように、今月の集中読書の対象です。


この著者の文庫本が出たなら即購入すると決めている人がふたりいます。森銑三柴田宵曲です。岩波、ちくま、中公文庫をチェックしておけばことたります。
ふたりとも著作集はあります。古書店で探せば入手できないことはないのでしょうが、そうする気はありません。私の性格からいって、全集や著作集は揃え終わると書棚の飾りになってしまうのがわかっているからです。
こんなに面白い本は文庫本で一冊一冊集め、ちびちびと読むのが最高です。なぜか三田村鳶魚は、古書店で全集のバラ本を安く求めることにしていますが‥‥。
出張のお供は先月出た中公文庫の「風俗往来」でした。実は速読するのがもったいなく、まだ読み終えていません。今は姫野カオルコと同時進行です。
その中の「落語千早ふる小考」は「千早ふる」の元ネタをたどる楽しい読み物でした。銑三翁は宝暦十三年に作られた「百人一首虚(うそ)講釈」という書物にたどりつきます。
読んでみたいですね「百人一首虚講釈」。「千早ふる」だけであれだけ面白いのに、百首ぜんぶにトンデモ解釈がついているのですから。
手持の武藤禎夫「定本 落語三百題」の「千早降 百人一首」の項に「百人一首虚講釈」のその部分が全文引用されていました。


心穏やかならぬ日は、翁と呼べる人々の書物を繙いているのが一番のようです。