旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

江戸の売り声

昨日の「笑点」で、漫談の宮田章司を見ました。初めて見る藝人と思っていましたが、喋り方にわずかですが聞き覚えがあります。あとで調べたところ、昭和30年代に活躍した漫才「陽司・章司」のおひとりであることを知りました。


演し物は「江戸の売り声」。なつかしい物売りの声を軽妙な話術で紹介します。
この種の藝の先輩に、坂野比呂史さんがいます。彼は売り声よりも、香具師(やし)の口上を得意としていました。弟子と組んで演じる万年筆売りは、本物を見たことがある私にはずいぶんと上品には見えましたが、時代を映し出したとてもいい藝でした。
宮田さんは坂野さんの影響を受け、江戸売り声を始めたようです。坂野さんより声が高く、張りがありますので売り声にはぴったりです。
会場は大受けでした。笑点でこんなに受けた藝はひさしぶりです。お年寄りが多いので、郷愁を誘ったのでしょう。
納豆売りの声から始まったのですが、小さいころ、味噌豆を買いにいったことを思い出しました。
家の近所を売り歩いていたのは、姉さんかぶりに手っ甲、脚絆をつけた和装の女性で、天秤棒をかついでいましたっけ。
金魚売りもよく来ました。丸い金魚鉢をたくさんリヤカーにのせ、金魚が呼吸しやすいように、半分ほど入った水を大きく揺らしていました。あれは難しそうでした。


夏のこの時期は、どうしても昔を思い出してしまいますね。