旭亭だより

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田川建三訳著「新約聖書 訳と注」

というわけで購入した田川建三訳著「新約聖書 訳と注」の第1巻ですが、マルコとマタイ両福音書が収録されています。先に第3巻の「パウロ書簡 その1」が刊行されていて、残りの4巻はこれからになります。最終巻の「ヘブライ書/ヨハネ黙示録」は2012年12月の刊行予定になっていますから、時間をかけてじっくりと読んでいくことができます。


私の手元には3冊の聖書があります。
日本聖書協会の「文語訳聖書」「新共同訳聖書」と日本聖書刊行会の「新改訳聖書」ですが、ふだん手にするのは「新共同訳聖書」です。
岩波書店版も買うつもりでいたのですが、「まったく言及する必要もなくなる」翻訳と田川が序文で書いていましたので、どうしようか考えています。


さて、田川の「新約聖書 訳と注」第1巻ですがなんと874頁もあります。マルコ、マタイの順も異例ですが、両福音書だけでこのボリュームです。実は本文が124頁で残りは註なのです。
全部読めるのか、自信がありませんがそうするしかありません。
本文とあわせて註もすべて読まなければ、田川個人訳「新約聖書」を読んだことにはなりません。なぜこのような訳になるのか、なぜ既存の訳と違ってくるのかが精緻に述べられているからです。


コシマキの文章がこの聖書の性格をよくあらわしていますので引いておきます。
 ●一語一句原文に密着し、可能な限り正確な日本語に。
 ●マルコのものはマルコに。マタイのものはマタイに。
 ●ギリシャ語を母語とせず、イエスの弟子たちに厳しい批判を向けるマルコ。ギリシャ語を母語とし、ユダヤ教の学識豊かなマタイ。


共観福音書二書にも大きな違いがあるのですが、今までの訳文では(私が迂闊なせいもありますが)それに思いを致すことはできなかったでしょう。


新約聖書 訳と註 1 マルコ福音書/マタイ福音書

新約聖書 訳と註 1 マルコ福音書/マタイ福音書