旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

連休の読書

連休中の読書計画は、船戸与一の「満州国演義」(新潮社)既刊分5冊と佐野眞一甘粕正彦 乱心の曠野」(新潮社)の読了で、順調に進んでいます。そのほかに、角田房子「甘粕大尉」(ちくま文庫)と山口猛「幻のキネマ満映 甘粕正彦と活動屋群像」(平凡社ライブラリー)の再読もしています。
船戸与一の小説を読むのは今回が初めてですが、豊浦志朗名義の本は何冊か読んだことがあります。


満洲国と甘粕正彦に関する本ばかりなのですが、きっかけは平岡正明兄(あに)さんの「昭和マンガ家伝説」(平凡社新書)でした。
安彦良和の「虹色のトロツキー」を扱った章で、船戸と佐野の本を「満州を軸にした植民地経営を含んだ全体像を描き出せと言いつづけた俺には拍手すべき成果だ。」と絶賛していたのです。
佐野の「阿片王 満州の夜と霧」も取り上げていたのですが、昨年文庫化されたときに読みましたので、連休の読書からは外しました。


松本清張の「昭和史発掘」(文春文庫)を今年になって集中的に読んだこともあってか、どの本もストンと胸に落ちていきます。道院や出口王仁三郎、阿片についても、松本の「神々の乱心」や佐野の前掲書のおかげでよく理解できました。
「神々の乱心」は小説としては不満がいくつもありましたが、「松本清張の『遺言』」(文春新書)で原武史も指摘している通り、大きな問題提議の書であることをつくづく感じています。


新書457昭和マンガ家伝説 (平凡社新書)

新書457昭和マンガ家伝説 (平凡社新書)