旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

【江刺寄席】三遊亭歌太郎

三遊亭歌太郎さん

三遊亭歌太郎さんを【江刺寄席】に呼ぶことを早くに決めていた次第は、4日の便りに書きました。「朝日名人会」の開口一番で歌太郎(当時は歌ぶと)さんを二度聞き、客席によく届く明瞭な発声に感心していたからです。まあ、声も大きかったのですが。
さて、その歌太郎さんの登場です。


やはりいい口調です。大きかった声も、強弱のつけかたがうまくなりました。テンポは、今の若手落語家の流れとは違いゆっくりめですが、高齢のお客さまが多い【江刺寄席】にはぴったりです。それにこの年齢でこの落ち着き、歌太郎さんは想像以上に成長していました。
マクラですっかりお客さまを掴み、お得意の「権助提灯」に入りました。15日に開かれる「NHK新人演芸大賞」決勝にかける演目です。
旦那、正妻、妾、そして飯炊きの権助の四人が見事に演じ分けられ、権助のきつい一言一言が大きな笑いを誘います。「これで二ツ目なの?」と驚くような空気が会場に広がっていきました。


打ち上げで「師匠から江刺寄席について何か聞きましたか?」と尋ねたところ、「二ツ目になってからはまったく自由放任になりました」との答えが返ってきました。スケジュール板には行き先を必ず書いておくのですが、歌武蔵師匠からのアドバイスは一切ないそうです。
がっかりしたか、ですか。いえいえ、こんなしっかり者の弟子ならば、それが当然です。