ちくま文庫の全集(第13巻/1990年)で柳田国男の『先祖の話』を、同巻の『人を神に祀る風習』に目を通してから読み始めました。
私には柳田の本は、文章が難しいというのではないのですが、ずっと読みづらいものでした。それが今では違っています。柳田の思想とは、というような問いかけが私になくなったからでしょう。年寄りが日当たりのいい縁側で語る話を楽しく聞いている、そんな風に読んでいます。
これが折口信夫なら教室の隅っこにいてかしこまって聴講している、南方熊楠だったらつまらない相づちを打って翁を怒らせないように注意しながら正座して相対し謹聴する、となります。