旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

三木清の墓

三木清の墓

今回の散歩のゴールは三木清のお墓がある正見寺でした。
薄桃色の御影石のお墓には、三木家之墓とのみ彫られていました。三木清は昭和20年(1945年)9月26日に豊多摩刑務所で獄死しています。彼は兵庫県龍野市の生まれですから、さほど古くないこのお墓は彼のために建てられたのかもしれません。


高校2年生の時に私と友人たちとの間に、ちょっとした三木清ブームが起こりました。
たぶん現代国語の教科書に彼の「人生論ノート」の一部が載っていたのでしょう。それをめぐって議論をしたり、新潮文庫の「人生論ノート」全文を読み、感想を述べあったりしていました。
三木は著作によって逮捕されたのではないのですが、獄死したことが私たちの中で彼の存在をより大きくしていました。しかし、貧弱な読書力しかない私たちには「人生論ノート」以外の彼の著作は、当時岩波書店から刊行中であった全集以外に処女作「パスカルに於ける人間の研究」くらいしか手にすることはできなかったのですが、まったく歯が立ちませんでした。
そんことを思い出しながら三木清のお墓に手を合わせていました。


あの頃の友人たちに会いたい気持ちは年々強くなります。私は彼らと過ごした高校を卒業していないので、校友会からの案内をもらうことができません。
「旭亭だより」のプロフィールに私は実名を載せています。経営者ブログとして当然のことなのですが、心の片隅では彼らからのメールが、ある日突然届くことを期待しているのです。