旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

【江刺寄席】三遊亭好楽

三遊亭好楽師匠

三三師匠に続いて三遊亭好楽師匠の登場です。
好楽師匠は第一回【江刺寄席】に出演してくださいました。あのときは王楽師匠との親子会でしたので、演目はそのものズバリの「親子酒」でした。


お約束の「笑点」の話題などをさらっと話してから、両国の見世物小屋の描写になりました。これは先代の林家正蔵師匠が得意にしていた「一眼国」のマクラです。胡散臭い見世物が次から次へと語られます。


好楽師匠は元々は稲荷町の師匠こと八代目正蔵のお弟子さんです。正蔵師匠がお亡くなりになったので、円楽師匠の弟子となりました。


正蔵師匠は長屋に住んでいたことでも有名です。長屋を語ることはあっても、実際に長屋に住んでいる噺家はいなかったからです。私の通った高校は、正蔵宅の近くにありました。
好楽師匠は林家から三遊亭に移りましたが、正蔵師匠の前名は蝶花楼馬楽といって、柳派でした。そしてその前は三遊派でもあったのです。
正蔵師匠は芝居噺も得意にしていましたが、その嚆矢は三遊亭円朝です。


いつ聞いても面白い見世物の話が終わり、本題に入ります。場所は見世物小屋の親分の家です。
マンネリで客が入らなくなり困っていた親分は、六部(旅の僧)から聞いた怪異談を頼りに北へ向かいます。江戸から北へ約百里、もしかしたら江刺あたりに一眼国はあったのかもしれません。


サゲは誰もが予想する<逆さ落ち>。正蔵直伝の円熟の話藝でした。
お仲入りです。