旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

不況対策ではなかったのですが

昨日、同業者が倒産したとの話が伝わってきました。今年になってからこれで2回目ですが、どちらの会社とも取引はなく、詳細はわかりません。
昨年から操業時間の短縮や従業員の解雇で、なんとかやりくりしている同業者は多いのです。その次に来るのは倒産ですから、別段驚くことでもありません。


冷たい言い方に聞こえるでしょうが、いたしかたありません。企業ならば、仕事がないときの対策を講じておくのが当たり前だからです。
ATCでは創業時から、一年間仕事がまったくなくても、社員の解雇をせずに事業を継続できるような会社作りを心がけてきました。


もちろん、この大不況を予測していたからではありません。物作りの環境が大きく変わったときのことを想定していたのです。
ATCの持つ製造設備やノウハウがすべて陳腐化してしまったら、社員を再訓練し設備投資をしなければなりません。それにはどうしても一年はかかるだろうと考えたのです。
そのためには社員数をむやみに増やすことはできません。20名以上にはするまいと決めました。この人数は、いろいろな面で効率もいいのです。
現在のATCの社員数は、プレーイングマネージャーである取締役を含め、ちょうど20名です。


また、設備投資以外には借金をしないことも決めました。それも長期借入金に限ります。
最近では自己資金で設備もまかなえるようになりましたので、金融機関からの借入は6年前からありません。ただし返済はまだ残っていますので、無借金経営になるのは2年後です。


不況はまだまだ続くでしょう。社員、経営者(プレーイングマネージャーだけどね)が一丸となって、なんとか乗り切っていくしかありません。
ATCは20名のちっぽけな会社ですが、それは考え抜いた結果です。誇りある零細企業なのです。