旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

大型バイクで出勤だぜ

オートバイには、後部を含めて、一度も乗ったことがなく興味もありません。が、大型バイクに乗って会社に行く夢を見ました。バイクは買ったばかりでピカピカ、それに乗るのも、公道を走るのも初めてで、フラフラになって会社に着きました。なぜそんな無茶をしたのか。バイク好きの同僚に見せるためです。
ライダースーツのまま事務所に入り彼女に一言。「オレのバイクを見てくれよ。」
彼女は35年前と変わらぬ笑顔で私を迎えてくれました。「本当に買ったんだ。」
夢の話は終り、ここからは私の記憶の中をまさぐることにします。
彼女は入社時から目立ちました。身長が170センチ以上あったからです。どんな容貌だったのかは下手に形容するより、天海祐希さんをテレビで初めて見たときに「あの娘によく似ている」と感じたと書けば十分に伝わるでしょう。
彼女には学生時代にモデルをやっていたとの噂がありました。さもありなんですが、本人からそれについて聞くことはありませんでした。近寄りがたく思っていましたが、すぐに親しくなりました。気さくで明るい性格だったのです。
帰社時間に彼女が私の部署に顔を見せるときは「一緒に帰ろう」の合図でした。デイトではありません。しばし街を歩いたり、時には居酒屋で飲んだりの楽しい仲間です。私生活の相談を受けたことも、愚痴を聞いたこともありません。だいたいが馬鹿っ話で盛り上がっていました。
会社近くの銀座通りを歩くと、たくさんの視線が彼女に注がれることがわかりました。私を指してひそひそ話をしている人は「あのさえないおっさんはたぶんマネージャーよね」と言っていたのでしょう。私は彼女より10歳上で、身重差は10センチありました(もちろん低いのは私です)。「(視線に)疲れない?」ときいたことがありますが「慣れてます」と笑顔で返されました。
そんな彼女の趣味が大型バイクでのツーリングでした。バイクを止めてフルフェイスのヘルメットを取り、頭を振ると長い髪がさらっとなんて決まりすぎだなと思ったものです。それを見る機会は残念ながらなかったのですが。