旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

Another Side of Bochan

小林信彦の新刊「うらなり」(ISBN:4163249508)を読みました。
雑誌掲載時の書評を読み、漱石の「坊っちゃん」に出てくる影の薄い英語教師うらなりの「それから」の物語と勝手に考えていました。確かにそういった面もありますが、それよりは小説による「坊っちゃん」論といった趣があります。
坊っちゃん」というテキストはこの本に併録された「創作ノート」にもあるように、以前のような痛快青春小説といった読み方では捉えきれないもののようです。それを良しとするか、読み込みの足りない私には、今は何とも言えません。


この本のカバーは今どき珍しくハトロン紙で包まれていて、大久保明子によるレトロな装丁も内容にあったものでした。もしかしたら活字印刷かな、と一瞬期待しましたがもちろんそんなことはありえないことでした。