旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

30代にタイムスリップ!

酒蔵「秩父錦」

昨日、おいしい天麩羅が食べたいという友人と会うことになりました。
居酒屋好きの私ですが美食家ではありませんので、鮨屋とか天麩羅屋の名店には行ったことがありません。が、おいしい天麩羅屋は1軒だけ知っていましたので、日比谷線築地駅で待ち合わせることにしました。
その店には20年以上行っていませんので心配はしていたのですが、案の定、跡形もなくなっていました。残念、店を継ぐ人がいなかったのかな。


築地といえば鮨屋なのでしょうが、知っている店はありませんので、どうも足が向きません。
そうだ、あの店なら居酒屋紹介の本にも載っていたから、まだやっているはずだ。
やはり20年以上前によく飲みに行った居酒屋を思い出しました。銀座2丁目の「秩父錦」です。


ありました。古い薪炭屋を利用した店構えも健在です。*1
中に入って驚きました。内装もまったく変わっていないのです。壁に貼られたお品書きは、値段こそ上がっていますが、メニューに変化はありません。あっ、焼酎の種類が増えているなぁ。名物の紙カツもあるぞ、これは後で注文しなくちゃね。


突き出しには冬瓜に鳥に挽肉のあんをかけたものが出てきました。上品な味付けです。
ビールから飲み始めましたが、この店に来たら飲む酒は当然秩父錦です。灰色の徳利も以前と変わりありません。
これで看板娘だった威勢のいいTちゃんがいれば、あの頃のままです。酔いとともに、気持ちだけは30代に戻っていきました。


飲む友、飲む店、飲む酒みなよしの楽しいひとときでした。また来ようっと。

*1:加藤嶺夫「東京 消えた街角」(河出書房新社)に、昭和42年に撮影された薪炭屋の写真が載っています。私はこの本を見るまで「秩父錦」は移築されたものだと思っていました。