旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

ささやかなコレクション

私の部屋にはサム・フランシスの版画が2点、飾ってあります。69年と92年の作品です。
69年の作品は、フランシスの代名詞となった余白を画面中央に大きく取り、赤と青を周囲に配したものです。
私は、大岡信氏の文章と、彼の本の装丁に使われた作品でフランシスを知りました。大岡氏はフランシスと親交があったそうです。
檀一雄の「火宅の人」のケースにもフランシスの作品が使われています。69年の版画の色使いはこれに似ています。
92年の作品は、それまでとはだいぶ趣が異なっています。赤、黄、朱が大きな球体をなし、あたかも太陽のように見えます。彼は94年に死去しましたので晩年の作品になるのですが、力強さを感じます。


美術館や博物館に足を運ぶことがまれになってしまいました。美術品や骨董品を集める気も、資力もありませんが、ささやかなコレクションは、心がささくれだったときに、自分を見つめなおすきっかけを与えてくれます。
私の部屋には暖冷房設備がないのですが、退色やカビを防ぐことができますので、作品の保存には向いているようです。
(でも、今年の寒さはちょっとつらいなぁ。)