旭亭だより

年金暮らし老人の近況報告です

夭折者の楽器

ジャズで使われる楽器の中で、私はトランペットが一番好きです。表現力はサックスの方が上なのですが、リードを使わない、唇によってのみ作られるあの音色がたまらなくいいのです。サックスを地上の夜の楽器と例えるならば、トランペットは天上の朝の楽器です。
しかし、その例えに反して、優れたトランペット吹きにはなぜか不幸な夭折者が多いのです。
ビックス・バイダーベックファッツ・ナヴァロクリフォード・ブラウンブッカー・リトルといった私の大好きな人たちはみんな二十代で死んでいます。リー・モーガンも33歳で愛人に射殺されました。
私はファッツ・ナヴァロの音色が好きでした。ビックス・バイダーベックはいつまでも聞いていたくなります。ブラウニーを嫌う人はいないよね。ブッカー・リトルは可能性を秘めたまま23歳の若さで死んでしまいましたが、エリック・ドルフィーとの双頭コンボは忘れられません。リー・モーガンの残したたくさんの演奏は、いつも私を明るい気持ちにさせてくれます。
一抹の悲しい気持ちもこめて「トランペット吹きに乾杯!」。


ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ Vol.1

ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ Vol.1